【摩訶不思議】認知症の世界観
「いつもあそこに座っているおじいちゃん、何を考えているんだろう‥」
気になったことはありませんか?
今回は認知症の世界観についてまとめました。
認知症とは?
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのは、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー小体病などがこの「変性疾患」にあたります。
いまいちよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、認知症の症状には個人差があり、未だによく分かっていない病気なのです。
そして認知症といえば記憶と大きく関係しています。
もう少し理解を深めるために、記憶についてみていきましょう。
認知症の世界観:【記憶】
認知症と物忘れの大きな違いは、物事の忘れ方にあります。認知症では体験をまるごと忘れてしまいます。物忘れでは、体験したことの一部を忘れるという特徴があります。
たとえば、つい先ほど食事をしたことは覚えているが、何を食べたかまで細かく思い出せないという場合は単なる物忘れですが、食事をしたこと自体を忘れているという場合には認知症が疑われます。
大変興味深いですね。
「体験したこと自体を忘れる」
なかなか想像しづらい世界です。
身内に認知症の方がおられると、納得できるのではないでしょうか。
Yahoo知恵袋に、こんな質問がありました。
「私」の一部(好きな食べ物、得意なスポーツ)を忘れるのではなく、「私」自身を忘れるのです。
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昔のことは覚えている
私たちの記憶は、短期記憶(数日前の記憶)と長期記憶(数十年前の記憶)の2種類で構成されています。
認知症の症状が進行すると、この短期記憶がごっそり抜け落ちます。
具体例
ある70歳代の認知症の女性は夕方になると決まって「小学生の息子が、お腹を空かせて学校から帰ってくる。
夕飯の支度をしないと」と落ち着かなくなり、あちこち行き来します。
しかし、実際には息子は成人し、所帯を持ち別の所に住んでいるのです。
このおばあちゃんと対面した時、私たちはどんな声かけをするでしょう。
認知症の方が描いた絵
http://www.npwo.or.jp/documents/080524ninchisyo/resume2.html
これはある認知症の方が、ジャズを聴いて描いた絵だそうです。
なんだかとても素敵ですね。
まとめ
少しは「認知症の世界観」というものを分かっていただけたでしょうか。
私たちが普通と思っていることは認知症の方にとって普通ではなく、その逆も然り。
この記事を読んで、認知症への理解を少しでも深めて貰えれば幸いです。
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